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keizo

副長の嫌味に

よう?」

 

 副長の嫌味に、原田は力のない笑みを浮かべそうになり、「いたた」とうめく。

 

「馬鹿はほっといて、さっさと餅をついちまえ」

「承知」は、いろんな意味でいろんなことに慣れている。副長の鶴の一声で、なにごともなかったかのように餅つき大会を再開する。

 

 心やさしい会津人たちは、公司秘書 https://www.easycorp.com.hk/zh/secretary

成立離岸公司 心配げに原田をみつめている。

 

「なにもなかった。みな、なにもみなかった。おこらなかった」

 

 副長が、神保に耳打ちする。すると、神保が藩士たちにそう告げる。

 藩士たちは、ビミョーなでつづきに戻る。

 

 双子の処置がよかったのか、原田はさらしを腰にガチにまかれ、夕刻にはそろそろあるくことができるようになった。

 

 軽かったのであろう。ふだんから運動量も違うし、背筋力も抜群に違いない。

 

『餅つきでぎっくり腰になった男』

 

『死に損ね』につぐ、あらたな二つ名。

 

 うり言葉にかい言葉からの切腹パフォーマンスで、し損ねて腹に一文字傷が残り、ネーミングされた名。

 

 餅つきをしようとして、ぎっくり腰に。しかも、無駄にマッパで・・・。

 

 どちらがマシか、いうまでもない。

 

 もっとも、どっちもろくな理由ではないが。 慶応四年(1868年)一月三日、開戦。

 

 鳥羽・伏見の戦いをかわきりに、翌明治二年(1869年)五月まで、戦いはつづく。

 

 戊辰戦争である。

 

 はじまりは、鳥羽街道の小枝橋付近。

 

 大目付率いる幕府軍が、鳥羽街道を封鎖する薩摩藩と押し問答状態になり、不意打ちを喰らう。

 

 薩摩藩は、準備万端。てぐすねひいてまちかまえていた。

 

 が、幕府側は危機管理に乏しすぎ、油断しすぎた。 伏見は、鳥羽街道のあおりをもろに受け、あっというまに戦地と化す。

 

 

 大人たちが必死に戦っているなか、子どもらは怖いのを我慢し、会津藩の賄方らの手伝いをしている。

 

 薩摩藩が陣取る御香宮神社から、容赦なく砲弾が飛んでくる。

 そのたび、子どもらは上げそうになる悲鳴を必死で呑み込み、不器用な手つきでおむすびを握る。

 

 副長には、奉行所が壊滅すること、潰走せざる状況になることを伝えた。

 

 ゆえに、決断ははやい。

 

 各地に散っている隊士や会津藩士たちに、召集をかける。のおおくは、頭部に鉢金を巻き、体躯には防具を、手脚には手甲脚絆という格好。

 

 会津藩士のなかには、時代祭りかコスプレかとみまがうような、鎧兜をガチに装着している者がすくなくない。

 

 すでに、カッコで負けている。

 

 わかってはいるが、機能性、利便性において差がありすぎる。

 

 

 

 いろんな形にビミョーな色具合、さらにはきわどい味加減の、子どもらメイドのおむすびをほおばる。

 

 相棒も、おむすびをぺろりとたいらげる。

「おいおい、おむすびには沢庵だろうが、ええ?」というようなで、みてくる。

 

 

 

「そういや、砲撃がぴたりと止まったな」

 

 永倉の言葉に、全員が御香宮神社の方角へとで、みてくる。

 

 

 

「そういや、砲撃がぴたりと止まったな」

 

 永倉の言葉に、全員が御香宮神社の方角へとをはしらせる。

 

「ああ、双子かもな」

 副長は、指先についた米粒をぺろりとなめながら応じる。

 

「あっ副長、ほっぺに・・・」

 

 副長の右頬に、米粒がへばりついている。

 それに気が付き、掌を伸ばしかける。

 

「土方さん、餓鬼みたいだな」

 

 秒の差で、原田が自分の舌で、舌で、舌で、ぺろりとなめとってしまう。

 

 なにゆえだ、原田?おれがさきに気が付いたのに・・・。

 

 腰を蹴ってやろうか、と悪魔チックなことを考えてしまう。

 

「どんどん腐隊士化しているではないか、と申しておる」

 

 

 背後から囁かれ、スラングを叫んでしまう。

 

 その場にいる全員が、白い

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