「切った張ったの世界では、いつ死ぬかなんて分からないでしょうし。一応ですよ、一応」
山南は空気を一変させ、botox おどけたように肩を竦める。そして立ち上がると、背伸びをした。
「山南先生」
もし私が新撰組に入ったら沖田先生のお役に立てると思いますか、そう言いかけて口を噤む。
沖田が起きてそれを聞かれたら、きっと気にしてしまうと思ったからだ。
「何でしょう」
「…そろそろ屯所へ戻りましょう。沖田先生をお布団で寝かせてあげたいですし」
その申し出に、山南は頷く。そして片側から沖田の肩を担いだ。
「済みませんが、桜花君も運ぶのを手伝って頂けますか」
桜花もそれに倣うと、立ち上がる。
土方を一人で運んだ時に比べたら軽いが、見かけに寄らず沖田も重かった。筋肉質だからなのだろう。
いつかは本当の沖田の姿も見てみたい、そんな事を思いながら屯所まで運んだ。八月初旬。
禁門の変における戦後処理が一息着いた頃。
池田屋での功績が認められ、幕府より新撰組へ恩賞金が与えられた。
数日後の夜、島原という花街にある角屋にて新撰組は宴会を開いていた。
藤堂と谷は夜番の為、不参加だったがそれ以外の副長助勤は全員参加となる。
「よォ、鈴さん。飲んどるかいな」
赤ら顔の松原が千鳥足になりつつ、酒を片手に桜花の前にやって来た。
桜花は池田屋で何か活躍をした訳では無いが、看病の任に着いた事や禁門の変にて長州人の捕縛に協力した事が認められ、末席で参加することになったのである。
「は、はい…。松原先生もう出来上がってますね」
「んふふ、鈴さんも楽しむんやで〜」
松原はそう言い残すと、ふらふらと自分の席へ戻って行った。苦笑いを浮かべつつ、それを見送る。
桜花は他の人はどうだろうか、と見渡した。
上座には近藤と土方、山南がおり、そこから副長助勤が左右に分かれて座っている。
その間には やら天神やら、位の高い遊女が座っては酌や談笑を楽しんでいた。
特に顔立ちも良く、女の扱いを心得ている土方や原田の周りでは常に黄色い歓声が飛び交っている。
見目の良い沖田に斎藤、馬越の周りにも遊女が両端を固めていた。気のせいか、沖田は何処か表情が硬い。
近藤、山南、松原は一人の遊女としっとりと飲んでいる。特に山南は愛おしそうな表情で横にいる女性を見詰めていた。
いつの日だったか。沖田が山南の恋仲が島原にいると言っていたことを思い出す。
幸せそうなその光景に桜花の口元も緩んだ。
「あ…。これ美味しい」
漬物をポリポリと齧りながら、天井を見上げる。
無論、木造建築ながらも襖や壁は豪華な装飾が施され、まさに男達の夢の建物だった。
平隊士達を見てみれば、すっかり鼻の下を伸ばして遊女との会話に専念している。
それにしても彼女達は皆綺麗だった。白粉を叩き、紅を目元と唇に差し、艶やかな着物と帯を巻いている。
自信に満ち溢れたその姿を見ていると、自分が情けなくなる思いだった。
ふと脳裏に、紅を差して女物の浴衣を着ている自分の姿が浮かぶ。
そのような事をした
1. 無題
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